尿閉塞でオシッコが出せないというオスのネコちゃんです。
当院へは初診の患者さんでした。
来院時には起き上がる元気もなく、グッタリとしていて触ると体も冷たいのです。
すぐに診察室へ入ってもらうと、オシッコが出せないためにパンパンに固くなった膀胱が触れます。
直ちに導尿して尿道のつまりを解除すると、真っ赤な血尿となっていました。
併せて血液検査を実施すると、
急性腎不全から高カリウム血症の状態です。
普段はオシッコをすることで体外へ排出しているカリウムですが、閉塞したために血中カリウム濃度が異常に上昇してしまった状態なのです。
カリウムは本来、体にとって必要なミネラルのひとつです。
ただし、血中濃度が異常に上がりすぎると、体にとって重大な悪影響を及ぼし場合によっては死に至ることもあるのです。
一般的に5.5mEq/L以上の血中カリウム濃度になると、高カリウム血症と診断されます。
血中カリウムは<神経の伝導>や<骨格筋や心筋細胞の収縮>などにとって非常に重要な働きをします。
軽度の上昇ではほぼ無症状ですが、より重度になると全身の筋力は衰弱して、心臓の調律も乱れるため命にかかわるほどの不整脈を起こしたりするのです。
治療法としては、軽度(血中カリウム濃度:6mEq/L程度)であれば、輸液療法などで改善しますが、中程度〜重度(血中カリウム濃度:6mEq/L以上もしくは心電図異常)では、早急な対応をとらなければ死亡することもあるのです。
このネコちゃんの場合には、入院してから数日後に無事に退院することができました。
冬は一年のうちで最も泌尿器系の病気が多いのですが、これから春へと向かう季節の変り目も要注意が必要です。
気になる点がある場合には、早めにご相談ください。
ゆいまーる動物病院は神奈川県川崎市宮前区にある動物病院です。当院は、大切な家族の健康を守る地域のホームドクターを目指しております。親身となった対応を心がけておりますので、どのようなことでもお気軽にご相談ください。
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