推定で8歳くらい、小型犬でメスのワンちゃんです。
現在の飼い主様の元へ来るまでに、転々として一時は相当にヒドイ環境で飼育されていたこともあったそうです。
引き取ることになった時点で、既に乳腺には巨大な腫瘍が存在していたとのこと。
当院での初診時には、さらに腫瘍が増大しており、一部自壊し膿を排出していました。
既に元気や食欲もなく、自壊している腫瘍をカバーするためにオムツを着けてはいるものの、腫瘍を舐めたり齧ったりする体力もありませんでした。
細菌感染をおこし、持続的な炎症によりQOLは著しく低下しています。
そこで飼い主様と相談し、まずワンちゃんが体力を回復してくれることを待つことに。
数日間の治療後、まだ完全ではないものの自力で食事をすることも出来るようになりました。
ワンちゃんの体力を考慮し、出来る限り麻酔時間を短縮しながら、現時点でのQOLを向上することを目的とするため今回は、大きくなった腫瘍部分を切除することになりました。
腫瘍部分のみとはいえ、10cmを超える大きさの腫瘍です。
小型犬のワンちゃんにとっては、相当な大きさだったと思われます。
手術中から手術後にかけても鎮痛剤を使用し、出来るだけ痛みをコントロールしています。
とはいえ、さすがに手術当日は入院室で静かに寝ていました。
しかし翌日になると、朝からモリモリとフードを食べるほどに元気を取り戻してくれました。
面会中には、飼い主様の方ではなく、こちらの方へ尻尾を振って駆け寄ってきてくれるほどに。
こんな瞬間は、やはりとっても嬉しいものです。
乳腺腫瘍は、メスのワンちゃんの場合、全腫瘍の約50%といわれるほどに多い腫瘍です。
さらに「良性」と「悪性」の比率は約50%、その悪性腫瘍のうち約半数は、局所だけで増殖し転移速度が非常に遅いとされています。
そのため、たとえ「悪性腫瘍」であったとしても、早期発見・早期治療をすれば治る確率は高いのです。
また、ネコちゃんの場合には、約80%が悪性であるといわれますが、やはり早期の根治的な治療が推奨されます。
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